賃貸住宅経営
徹底比較!資産活用の決断ポイント
相続を見据えた賃貸住宅建築、どちらが良い?
現金一括 vs ローン利用
公開日:2024年11月28日


1.現金一括で建てる?借り入れる?
① 現金一括で賃貸住宅を建てる
② アパートローンを組んで建てる
2つのパターンを考えてみましょう。
まずは、それぞれのメリット/デメリットから(図1)。現金一括/アパートローンで大きく違うのは、建築できる賃貸住宅の質や規模です。現金一括の場合、所有する現金以上の賃貸住宅を建築することは不可能ですが、手持ちの現金に加え、アパートローンも活用することで、階層・設備・居室数など、土地のポテンシャルを最大限に活用した賃貸住宅を建築することが可能になるでしょう。


2.賃貸住宅が相続の節約に有利と言われる理由
相続税は、「相続税評価額」をもとに納めるべき相続税を算出します。そのため、保有する資産の評価額をどれだけ抑えることができるかがポイントになります。
土地や建物は、他人に貸している割合により、評価額を下げることができます。土地は、借地権割合などにより一般的に40%程度まで抑えられると言われています。賃貸住宅は、借家権割合(全国一律で30%)と賃貸割合を準じて算出されます(相続時の建物評価は、固定資産税評価額と同等)。
「土地や建物の評価が下がる」と言っても、あくまでも相続税を算出する評価額を抑えられるという意味。土地・建物自体の資産的価値が下がるわけではありません。
では、具体的にどの程度評価額を下げられるのか見てみましょう(図2)
3.ローンの活用で最適な建築計画を
手元にある現金6000万円で賃貸住宅を建築することは可能です。現金一括で建築する場合のメリットは、費用をミニマムで抑えられること。アパートローンの返済が発生しない、という心理的なメリットもあるでしょう。その一方、保有する現金を超えての建築計画はできない、という面もあります。
手元の現金1000万円を残して、現金5000万円に加えて5000万円の融資を受けて1億円の賃貸住宅を計画すると仮定します。この場合、1億円の賃貸住宅を建築でき、相続税評価額は土地と合わせて8000万円程度。評価額は1400万円程度アップします。ローン返済なども発生しますが、居室数・設備の充実度などにより、生み出す収益も上昇するでしょう。新たな資産として土地を買い増すことが難しくとも、資産価値の高い賃貸住宅を建てることができます。
4.初期費用回収までの期間、収益の違い

計画した初期費用を賃料として受け取るのに必要な期間は118カ月。およそ10年です。ただし、家賃収入の中から、毎月の保険料の支払い、公共スペースの光熱費などの維持費、各種税金に加え、大規模修繕の費用も積み立てておく必要も。また、竣工前後に大きな出費をともなうトラブルが発生してしまった場合、金銭面から迅速な対応が難しくなる可能性もあります。
② アパートローンも活用
5000万円の融資に金利も加味して、返済額は5250万円と仮定します。そのため、賃貸住宅建築の総額は1億250万円。費用の回収までにかかる期間は134カ月です。もちろん、現金一括の場合と同様、保険料や共用部の光熱費、税金、大規模修繕に向けた積み立てに加え、毎月のローン返済も発生します。
しかし、毎月の収益は現金一括で建てた賃貸住宅の1.5倍に。修繕費や保険料がアップしますが、同時に収益性や資産価値も高まります。返済期間の設定により費用回収期間も変動しますが、返済完了後は毎月の収益の大半を資産として積み立てることができるでしょう。
賃貸住宅経営の試算をする際、帳簿上の数字だけでなく、手元の現金も確保し、キャッシュフローも意識することが肝要です。税金の支払いや予期せぬ修繕費が発生する可能性もあるのが、賃貸住宅経営。帳簿上の数字に囚われすぎないよう注意しましょう。
5.相続時の分配、その後も考えた計画を
また、流動性のある資産・キャッシュが残っていた方がスムーズに相続できる場合もあります。
収益性の高い賃貸住宅なら、相続発生までにまとまった手元の現金を確保できる可能性が高まります。
相続を見据えた賃貸住宅物件は、ご自身の状況だけでなく、相続人の数や分配方法まで考慮しましょう。
6.ゴールを意識した相続税対策を
ランニングコストは極力抑え、スピーディに収益を生み出すことを期待できる「現金一括」、手元のキャッシュ+融資を活用することで大切な資産の価値を高め、次の世代に引き継げる「アパートローン」。どちらにメリットがあるか、専門家にも相談し、ご自身にあった方法を見極めましょう。
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